デフレゲート事件、和解が成立せず

デフレゲート事件とは

昨シーズンのAFCチャンピンシップのインディアナポリスコルツ対ニューイングランドペイトリオッツの試合でペイトリオッツの攻撃の際に使用されたボール(ペイトリオッツが準備)がルールで定められた空気圧よりも低い空気圧だったことが発覚し、それが試合を有利にするため(雨の試合でボールが滑りやすかったため、空気圧を緩めることでボールをキャッチしやすくした)に故意にやったのではないかという疑惑。

 

デフレゲート事件に対する処分は

実際に空気圧を抜いたのは用具係だとしても、QBであるトムブレイディがそれを知らなかったはずがないということで、彼にも嫌疑がかけられました。彼が事実を知っていたという証拠はないものの、NFLによる調査に対して非協力的であったとして、今シーズンの開幕から4試合の出場停止処分が下されました。このNFLの判断を不服としたトムブレイディは訴訟を提起しました。

なお、ペイトリオッツにも来シーズンのドラフト指名権の一部はく奪等の処分が下され、ペイトリオッツはそれを受け入れており、こちらは決着しています。

 

NFLの試合で使用するボール

NFLの試合で使用するボールは攻撃側のチームが用意します。そこで用具係はQBの好みにあわせて入念にボールを手入れするそうです。だから、ブレイディが事実を知らなかったはずがないということのようです。(秘書がやった不正を国会議員が知らなかったはずがないというのと似たようなものでしょうか。)

デフレゲート事件が話題になるまで、試合で使用するボールを各チームで用意することは知りませんでしたが、そもそもこのルールがなくてNFLでボールを用意していたらこのような問題は起こっていません。既に議論されていると思いますが、ルールを改正してもよいのではないかと思います。もちろん不正は許されませんが、不正が行われないようなルールは検討の余地があると思います。

 

訴訟の行方

訴訟について、裁判官は和解勧告をしていましたが、結局期限までに和解は成立せず、判決が出ることになりました。報道を見る限り判決はどっちに転ぶか予断を許さないようです。

どちらに有利な判決が出るにせよ、不利な判決を出されたほうが控訴すれば、その間処分は保留になり、ブレイディは判決が確定するまでプレイできることなりいます。しかし、これはブレイディ、そしてペイトリオッツにとって決してポジティブなことではありません。トムブレイディにとって問題が長びくことは避けなければならないことです。同じ4試合の出場停止でもシーズン序盤の4試合とシーズン終盤の4試合では全く意味が違います。特にペイトリオッツは毎年序盤はスロースタートで徐々にチームを熟成させて後半に向けて調子を上げていくタイプですのでなおさらです。交渉においては早く交渉を決着させたいほうが圧倒的に不利です。

残念ですが例え不利な判決が出たとしても受け入れざるを得ないのかもしれません。

 

最後に

ファンが見たいのはグラウンド外の戦いではなくてグラウンドでの素晴らしいプレーです。早く問題が決着して素晴らしいプレーでファンを楽しませてくれることを期待します。